カールツァイスのBatis 25mmである。
仕事上断トツに使用率が高いレンズであるが、このレンズで写真を撮ったことはほとんどなく、主に動画用のレンズとして大活躍している。
このレンズの最大の魅力は広角でありながら歪曲収差がほとんど見られないという点にある。25ミリなのにまっすぐなものがまっすぐに映る。これはすごいことである。
通常この手の画角になると樽型に歪むのが普通で、よほど値の張るシネマレンズとか一部の高級レンズにならないときちんと補正されていないものである。もっともBatisシリーズも高級レンズに違いないのだが。
ともかく、25ミリなのに歪まないから動画撮影にはもってこいである。ぼくが動画を撮影するときは、寄りがなければまずこの1本で済んでしまう。ぼくは歪曲収差が少ないことをレンズ選びの指標にしている。曲がったことが嫌いという性格はこんなところにも現れている。だから歪みには大変キビシイ。広告の演出をしていた頃はレンズの歪みが気に入らなくてレンズ交換をお願いすることなどザラだったから、その点においてカメラマンよりキビシイのである。
でもぼくがキビシイのは歪曲収差だけで、その他の収差については寛容だ。色とかフレアは全然気にならないどころか、そのレンズの個性とさえ思ってしまう。歪曲収差だけはどうしても個性と受け取れずにただただ気に入らないのである。
だから歪曲以外の収差についてレビューを探している人には申し訳ないが、他をあたって欲しい。
レンズのフィルター径は他のBatisシリーズと共通の67ミリ(18ミリだけ違いました!)全長が短いので口径の大きさほど大きい感じはしない。それに重量も軽い(335 g)から手持ちで長時間の撮影が可能だ。
フォーカスリングはシットリと重く、その操作感はかなり好みである。動画ではMFで撮影することも多いのでフォーカスリングの使い心地というのは非常に重要なのです。動画撮影において万能と呼んでも言い過ぎではないBatis 2/25であるが、最近備わったソニーのアクティブ手ブレ補正を使うと画角が若干狭まってしまうので、せっかくの広い画が少々もったいない。しかしアクティブ手ブレ補正の威力は強力で、一度使うと手放せなくなる。
ここでBatis 2.8/18が気になってくるが、25に比べるとその性能が凡庸で今ひとつ食指が動かない。フィルター径も他と違くてやたらでかい(77ミリ)のも気になる。光学設計をし直して、フィルター径を67ミリに合わせたII型の計画はないものだろうか。。。
18ミリのことはさておき、この25ミリは最高のレンズの一つであると言える。写真のほうもきっと良いのだろうが、25ミリなんて広角、ぼくにはとても使いこなせそうもないです。
↑いつものカット。カメラにつけると更にかっこいいですね。
このレンズで写真を撮ってないので作例はありません。動画はGRIT JAPANを御覧ください。インタビュー映像全てと一部のBロールはこのレンズで撮影されたものです。