父がこんなものがあったといって持ってきた。
PENTAX METERと書いてある。これは、カメラに露出計が内蔵されていない時代の外付け露出計である。
写真は露出とシャッタースピードと感度がバランスしないと撮れない。露出というのはどのくらい光を
一度に当てるかを決めるものである。露光とも言う。
昔はフィルムを入れたら感度はいじりようがなかったので、露出とシャッタースピードだけが調整可能な
パラメーターだった。
レンズに乗っかっているが、本当はカメラのアクセサリーシューに接続して使う。
ダイヤル類がカメラ本体と連結されるようになっていて、露出計を操作することで
カメラのシャッタースピードも動かせるようになっているらしい。
もっともこの露出計は裏側の電気回路がごっそりなくなっているし、そもそもカメラ本体もないので
もらってもどうしようもなく、とりあえず机に飾っている。
作りは非常にかっちりしているし、重量感もあるのでアンティークオブジェとしての見栄えがよろしい。
キットレンズだの、この壊れたメーターだのといったガラクタばかりがぼくのもとにやってくる。
肝心のカメラはどうしたのかと言えば、友人が欲しいというからあげちゃった、そうです。なぜそれを俺にくれなかった
と言っても後の祭りである。
ちなみに今回の撮影はすべてLoxia 35ミリで行った。30センチまでしか寄れないし、こうしたブツを撮るには
すこし画角が広すぎるが、最近カメラにつけっぱなしにしているお気に入りレンズである。仕事でないときはMFレンズ
ばかり使っている。静物はもとより、動きものでも必死こいてピントを合わせるのが楽しいのである。
仕事でも動画を撮るときは今度はMFしか使わない。写真と動画は真逆なのであった。