週末は息子と森へ行くのが日課のようになっている。
息子は双眼鏡を首からさげて、ぼくはカメラをさげて冬の森を歩く。
だいぶ寒さが和らいできた。空が曇っていても芯から冷えるような気温ではない。
むしろ風がなければ森の中は快適だ。
小鳥たちは、ルリビタキ、ジョウビタキ、ミソサザイ、ウグイス、エナガ、メジロ、シジュウカラ、アオジ、コゲラ、ハクセキレイ。
少し大きい鳥は、ツグミ、タヒバリ、モズ、ヒヨドリ、ムクドリ、キジバト。
エナガはいつも10羽くらいの集団で移動していて、ピンクの羽にブラックのラインが美しい鳥だ。小さくてとても可愛らしい。
息子はピンクのエナガをみると可愛い妹を思い出すといって悶ている。兄心。
空を見上げると葉を落としたコナラやクヌギの木が細い枝を無数に延ばして曇り空にアートしていた。
人間の体に張り巡らせた血管もこんなふうだった。いつかみた人体の模型展を思い出す。
春はすぐそこまで来ているが、これらの木々に葉がつくのは花の季節が終わってからだ。
大木の葉が空を覆い尽くす前に、地面に近い草木は急いで成長しないといけない。
息子がおにぎりを頬張るその足元を見れば、たんぽぽが花を咲かせる準備をしていた。いつでもというように。