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オウンドメディア批評 第六回 北欧、暮らしの道具店

 

オウンドメディア批評 第6回「北欧、暮らしの道具店」

 

 

 

「北欧、暮らしの道具店」Youtubeチャンネルは登録者数が57.2万人もいる。母体は北欧を感じさせるようなデザインの雑貨を売る通販会社で、ターゲットは100%女性であろう。

 

直接聞いたわけではないので確証はないが、ターゲットを女性に全振りしているのは間違いないと思います。

 

 

 

ここのチャンネルの面白いところは、通販会社なのに商品紹介の動画がないことである。ではどんな動画があるのかというと、商品の世界観を伝えるための間接的な動画なのである。

 

 

 

例えば、

 

スウェーデンの実際の家庭とか、

 

働く女性のインタビューとか、

 

素敵なおうち訪問とか、

 

オリジナルドラマとか。

 

 

 

一貫しているのは商品を想起させるような「オシャレな画」を前提としている。 

 

こんなうちに住みたいなあとか、こんな大人になりたいなあとか女性の夢心地を刺激して本家のECサイトへと導く設計であるが、それが良くできている。

 

 

 

技術的なことについて。

 

 

 

コンテンツによって制作者が違うのか撮影技術にばらつきを感じることがあるが、総じてきちんと作られている。なにしろまるでセットのようなオシャレな室内がほとんどだから、どこを切り取ってもそれなりに画になってしまうのはいいですね。

 

 

 

ノンフィクション系の動画も意外に作り込んでいて、意外にというのはかなりつくり手の要求が入っていてという意味だが、ノンフィクションでありながら、動作は相当フィクションである。もちろんこれは出演者によるので一概に言えないが、なにも言わなくても勝手にやってくれるひとと、照れてなにもできないから指示して欲しいというひとがいて、後者の場合そのぎこちなさがすこしだけ気になる。ぼくだったらそういう画はカットするだろう。

 

 

 

BGMの選曲はいかにもという感じであるが、世界観のわかりやすさを第一にしているのだろう。映像と合わせて無印良品的という印象を受けたが、ナチュラルテイストを志向すると自然同じようなところに向かうのだから。

 

 

 

フィクションであるオリジナルドラマはいかにもテレビドラマ然としている。

 

 

 

コンテンツについて

 

 

 

ノンフィクション系コンテンツについて

 

一番関心するのは次から次へと新しいおしゃれ人をよく見つけてくるよなあということである。この人選というのが一番大変で、人さえ決まってしまえばあとは言い方は悪いがフォーマットに則って作るだけである。

 

 

 

コンテンツの拡充として朝食だったり、夕食だったり、週末だったりいろいろな切り口で描いているが、少々多すぎるのではないでしょうか。どんなやり方に正解も間違いもないが、個人的には柱になるコンテンツを絞って深掘りしたほうが好みではある。

 

 

 

フィクション系コンテンツについて

 

ノンフィクション系は総じて好ましさを感じるが、オリジナルドラマはなんだかよくわからない。初期のひとりごとエプロンはよかった。ところがシリーズを重ねるごとにどんどんただのテレビドラマになっていき、ただ番組スポンサーをしたかっただけのように見えてしまっている。

 

 

 

ここはひとつあまり風呂敷を広げずに初心にもどって目的を考えたほうがいいかもしれません。オリジナルドラマに対して厳しくなってしまうのは、ノンフィクション系の出来がよいからで、それと比較するとどうしても気になってしまうためです。

 

 

 

まとめ

 

北欧、暮らしの道具店は名前こそ知っていたが、ぼくなど完全に対象外だから今まで見たことがなかった。最近たまたま思い出した機会があってYoutubeチャンネルを見たら凄かった。なによりも動画がきちんと丁寧に作られていてとても関心する。無印良品に似ていると書いたが、老若男女問わずの無印に対して、北欧、暮らしの道具店は完全に女性相手だからそこが差別化要素であり、ターゲットを絞っている分やりやすいだろう。オウンドメディアはかくあるべしという見本のようなチャンネルだった。